■初代駅
火の見櫓(やぐら)に設計事務所、木材倉庫に客車修繕工場-。いったい何の施設かと思うが、これら全て、1874(明治7)年開業の初代神戸駅(神戸停車場)の中にあった建物だ。
「神戸駅史」(1957年発行)などによると、日本で2番目の鉄道路線として大阪と結ばれた神戸駅は、広さが23~24万平方メートル。敷地は、現在の神戸ハーバーランドの大半を占め、国道2号を越えてJR神戸線辺りにまで及んでいた。
季刊誌「鉄道史料」編集委員の高橋健司さんは、初代神戸駅の詳細な姿を明らかにし、2021年の「歴史と神戸」(神戸史学会)で報告した。京都大で機械工学を学んだ高橋さん。そのときの知識が鉄道研究にも役立っているという。
「駅といっても、三ノ宮などとは違い、神戸は鉄道が往来するだけのものではありませんでした。大規模な工場を兼ね備えた『鉄道基地』と言った方がいいかもしれませんね」
高橋さんが当時の資料を基に作った図面を見ると、初代神戸駅の大きさや併せ持っていた機能の多さに目を見張る。
高橋さんによると、駅の本体部分(乗降場や本屋)は、現在のハーバーランド内スペースシアター周辺にあった。1877(明治10)年、明治天皇が来られた開業式典では、商業施設「umie(ウミエ)」の旧こべっこランド側出入り口辺りに南向きに玉座が置かれ、周囲を各国公使や政府高官らが囲んだという。
かなり詳しい…。
「初代神戸駅が写っている昔の写真を見たら、いろんな建物があったから『ここで何をしていたんだろう』って思いましてね」
調査を重ね、たどり着いたのが三田市所有のある資料。国の鉄道部局で図面製作をしていた三田藩士の九鬼隆範が、駅構内の施設名称を英語で記していたのを見つけ、日本語に訳して図面に落とし込んだ。
鉄道に関する技術も知識も日本にはなかった明治初期、指揮したのはイギリス人だった。九鬼氏はイギリス人技師に付いて製図したらしい。
さすがに駅の痕跡は残っていないかと思ったが、なんと約150年前と思われる貴重な「史跡」があるというから着いていった。
跳ね橋「はねっこ」の近く、海水を引き込み、人工的に造ったと思われる水のたまり場がある。ここはかつての湊川の支流を改修したもので「蟹川船渠(がにがわせんきょ)」と呼ばれ、船が入って鉄道用の資材などを運んでいたそうだ。そのときに築かれたと推測される石垣が残る。
「ロンドンには(神戸駅内にあった)鉄道寮神戸工場の平面図の原図が残っているらしいです。とても興味がありますね」。当時の鉄道のことを知りたいなら、どうやら渡英した方が良いらしい。
鉄道基地ともいえるこの初代神戸駅は、日本の鉄道製造を引っ張った。次回はそんなエピソードを紹介したい。(安福直剛)

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