神戸市内唯一の観光茶園「静香園」（同市灘区原田）が、コロナ禍で中止していた茶摘み体験を４年ぶりに再開した。初回の１８日は、かすりの着物に日よけの手ぬぐいをかぶった「茶娘」姿となった１０人が参加。清流の歌姫と言われるカジカガエルやウグイスの鳴き声が聞こえる茶畑で、色鮮やかな一番茶をかごいっぱいに摘み取った。

　同茶園は１９７６年に開園。摩耶山の登山道「青谷道」沿いの段々畑約４５００平方メートルに、まろやかな味が特徴のヤブキタ約５千本を植えている。

　体験会では、同園を営む前（すすめ）裕二さん（６７）が手もみを実演。茶葉を電子レンジで温めてから、手でもみ、ホットプレートで水分を飛ばす。３０分ほど繰り返すとこうばしい香りがし、参加者からは「いいにおい」と声が上がった。

　友人４人と茶摘みをした同区の男性（７８）は「茶葉は、お茶だけでなく天ぷらやつくだ煮にして楽しみたい」と満足げだった。

　３０日に開く体験会の予約を受け付けている。中学生以上３千円、小学生２千円。静香園ＴＥＬ０７８・２２２・０００７

（劉　楓音）