六條八幡宮(神戸市北区山田町中)で8日、例祭があり、市無形民俗文化財の「流鏑馬神事」があった。新型コロナウイルス禍のため、4年ぶりの奉納。再開した伝統行事を多くの氏子らが見守った。
六條八幡宮は、源頼朝の祖父・為義が1123年に再興したと伝わる。流鏑馬が始まった時期は諸説あるが、今では市内で唯一という。
花笠をかぶった「小刀祢」と呼ばれる射手が的の前で静止して、射かけてから参道を駆けるのが同八幡宮の神事。七社神社でも披露した後、同八幡宮へ舞台を移した。
神事の後には、馬で駆けながら射る流鏑馬も3度披露された。ひづめの音とともに、的が割れる音が響くと、参道を埋めた人たちが大きな拍手で応えた。
「歴史の中で中断の危機はあったと思う」と、氏子13地区で今年の当番を務めた上谷上地区の中西宏総代(70)。「どの時代も山田町の強い思いで続いてきた。今年、伝統をつなぐことができてよかった」と笑顔で話した。(鈴木雅之)