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完成間近の木造和船=姫路市的形町的形
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完成間近の木造和船=姫路市的形町的形
タイや松竹梅など縁起物が装飾された船の前に立つ奥村雅晴社長=姫路市的形町的形
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タイや松竹梅など縁起物が装飾された船の前に立つ奥村雅晴社長=姫路市的形町的形

 祭りどころ姫路の技術を詰め込んだ和船が、茨城県の伝統行事に「出航」する。兵庫県姫路市的形町のヨットビルダー「オクムラボート販売」が、来年5月に茨城県北茨城市である、国重要無形民俗文化財「常陸大津の御船祭(おふねまつり)」で使われる木造和船を建造中だ。400年以上続く、船が町中を巡行する珍しい祭りの「主役」でもあり、同社関係者も意気に感じながら作業に臨んでいる。(辰巳直之)

 5年に1度、大漁と海上安全を祈願して開かれる御船祭は、江戸中期から続くという。住民ら約500人が、一つの船を激しく揺らしながら町中を練り歩く勇壮さで知られ、前回2019年は約20万人が訪れた。次回は来年5月2、3日。

 同社は競技艇を中心に造船しているが、「坂越の船祭り」(赤穂市)や姫路城の内堀を巡る和船を造った実績や技術を買われ、依頼されたという。奥村雅晴社長(69)らが現地視察を重ね、祭りの激しい動きにも対応できるよう、1年かけて設計。21年夏、船大工2人が中心となって建造を始めた。

 船は白を基調とし、全長約15メートル、重さ約8トン。外板に宮崎県産の日向杉などを使った。骨組みには、堅いケヤキやカシを三角形に組み合わせる「トラス構造」を採用。「激しくぶつかることも想定し、船の強度を保つよう苦心した」と奥村社長。引き手が持つ綱をつなぐワイヤを引っかける金具を、船体下部に設置するなど安全面にも考慮した。

 側面には、姫路市内のデザイン会社によってタイや七福神、松竹梅といった縁起物の装飾を施した。船は3月22日に完成予定で、茨城には大型トレーラーで陸送する。祭りの機運を高めるため、来年の祭り本番まで現地の漁業歴史資料館で展示されるという。

 奥村社長は「神事の船に使われるのは光栄。来年はぜひ見に行きたい」と期待する。御船祭保存会(北茨城市)の事務局長、樫村義弘さん(59)は「細部までこだわって造ってくれたと聞いた。どんな仕上がりになっているか楽しみ」と到着を心待ちにしている。

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