19日夜に発生し、焼け跡から1人の遺体が見つかる火災があった現場=須磨区西須磨(撮影・千葉翔大)
19日夜に発生し、焼け跡から1人の遺体が見つかる火災があった現場=須磨区西須磨(撮影・千葉翔大)

 鎮火まで18時間近くを要した須磨・鉢伏山の宿泊施設火災。神戸市の迎賓館として建築された洋館で、風光明媚な須磨を代表する施設として親しまれてきた「須磨観光ハウス 味と宿 花月」が全焼した。すぐそばで茶屋を長年営んできた加納夛(タ)キ子さん(93)は「須磨で一緒に頑張ってきたので、焼けてしまったのは寂しい」とこぼした。

 火災が発生した19日午後6時40分ごろ、同施設の西約100メートルにある「東茶屋」に、加納さんはいた。次男が炎に気づき、加納さんは「びっくりしたし、怖かった」と振り返る。茶屋に燃え移る可能性を考えて、次男ととともに長男宅へ避難した。