パリ五輪の聖火採火式に招かれた医師の賀来正俊さん=神戸市東灘区田中町2
パリ五輪の聖火採火式に招かれた医師の賀来正俊さん=神戸市東灘区田中町2

 古代オリンピックの研究を続けてきた神戸市東灘区の医師賀来正俊さん(72)が、14~16日にギリシャ・オリンピア市であるパリ五輪の聖火採火式などに出席する。主催者を代表して同市のアリステイディス市長から来賓として公式に招待された。国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長からも手紙が届くなど、賀来さんの長年の研究が五輪関係者に認められた。(安福直剛)

 賀来さんは30歳の頃から研究を本格的に始め、ギリシャの博物館で資料を解読したり遺跡を調査したりしてきた。2021年には著書「古代オリンピックの真意と全貌」を出版した。

 オリンピックの研究活動などをするNPO法人「日本オリンピック・アカデミー」の正会員でもある賀来さんは、著書を国内外の関係者に送付。IOC本部からはバッハ会長名で礼状が届いた。

 聖火リレー関連の式典は3日間。今回のパリ五輪では、最も重要とされる「オリンピック休戦協定」の式典が15日にある。16日に古代神殿でトーチに火がともり、最初の聖火ランナーに渡る。

 賀来さんは、紛争が世界各地で相次ぐ現状を憂いており、休戦協定が少しでも力を発揮してくれるよう期待を寄せる。

 「何の肩書もない私が招待されることに驚きと喜びを感じる。緊張はするが、バッハ会長とも話して、オリンピックが果たすべき平和への役割について問いかけてみたい」と話している。