オープン初日の須磨海浜水族園。入場が制限され、長蛇の列ができた=1987年7月16日、神戸市須磨区
オープン初日の須磨海浜水族園。入場が制限され、長蛇の列ができた=1987年7月16日、神戸市須磨区

 「神戸須磨シーワールド」(スマシー、神戸市須磨区)の6月1日開業を控え、運営会社や市は交通渋滞の抑止に力を入れている。前身の市立須磨海浜水族園の開業時は高速道路上に長い列ができ、混乱が発生。当面は入場を事前予約制としつつ、公共交通機関の利用を促す優待チケットを導入するなど手だてを講じる。(金 旻革)

 西日本唯一のシャチによるパフォーマンスが楽しめるスマシーは初年度に年間250万人の入場を見込む。1987(昭和62)年に開業したスマスイが初年度に239万人で、当時を上回るにぎわいを予想する。

 スマスイの開業は37年前の7月16日。初日の入場者数は約1万1千人に上った。当時の神戸新聞の翌17日朝刊によると、午後1時からの一般公開前には2千人が列をなし、30人ずつ区切って入るよう入場を制限。20日朝刊では交通渋滞の状況を報じ「周辺の千数百台分の駐車場も、一日中満車。同水族園前の国道2号線西行きはノロノロ運転。阪神高速も(中略)若宮ランプを先頭に大渋滞、湊川と柳原ランプ入り口が一時閉鎖された」と記した。

 スマシー開業後は事前予約制を取り、施設内の混雑緩和と観賞の質の向上を図る。当日入場は原則できないが、運営会社「グランビスタ ホテル&リゾート」は山陽電車と連携し、月見山駅までの往復切符とスマシー入場券をセットにした「神戸須磨シーワールドきっぷ」を販売。事前予約なしで入場可能で、券売機で当日購入でき、電車の利用を促す。

 運営会社や市は、大阪方面から車で訪れる人々は阪神高速を利用する割合が多いとみて、スマシー最寄りの若宮インターチェンジ(IC)出口ではなく、手前の湊川IC出口で降りることを勧める。若宮ICで降りた場合、駐車場に入るためにはUターンが必要で渋滞の要因になるからだ。

 最寄りの駐車場となる「須磨海浜公園駐車場」は千台以上駐車できるが、土日祝日は最大料金が適用されない。市の担当者は「一般市民の生活や物流への影響を抑えるためにも公共交通機関を使ってもらいたい」と話している。