小学6年と中学3年を対象に毎年実施している全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)が14日、始まった。この日は中学理科が実施され、デジタル端末を使いオンラインで出題・解答する新方式(CBT)を初めて導入。ネットワークの負荷軽減のため、学校を17日までの4日間に分散させた。国語と算数・数学、小学校理科は、17日に従来通り紙で行う。
国公私立の小中計約2万8千校の約200万人が参加予定。14日の中学理科は約2300校で行われた。
文部科学省によると、CBTでは動画や音声を使った新たな出題形態が可能となるほか、児童生徒ごとに異なる問題を割り当てることで、データを幅広く収集できるといった利点がある。文科省が昨年公開した中学理科のサンプル問題では、自転車で坂を下りブレーキをかけて止まる動画を見て、働いた力を選択式で解答した上で何が起きたかを記述する設問などがあった。
全国学力テストは、国語と算数・数学は毎年度、理科と中学英語は3年に1回程度実施される。文科省は今回の中学理科を皮切りに、2026年度は中学英語でCBTを導入。27年度からは全教科に広げ、紙の問題冊子を廃止する方針だ。
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兵庫県教育委員会によると、県内で実施予定の公立学校は小学校727校(4万4602人)、中学校341校(4万4750人)。神戸市内の一部の中学校では14日、パソコンやタブレット端末を使った調査や理科のテストがあった。(鈴木雅之)