「書けば書くほど、小説は難しいです」と話す小川洋子さん
「書けば書くほど、小説は難しいです」と話す小川洋子さん

 静寂の中、そっと耳を澄ます。すると、どこからか美しい歌声が響いてくる-。作家小川洋子さん(西宮市在住)の6年ぶりの長編小説「サイレントシンガー」(文芸春秋)は、沈黙を愛する人々と、彼らのそばで育った女性の歌を巡る物語だ。「言葉から離れた世界にいる人たちを、言葉で表現してみたいと思ったんです」と小川さんは静かに語る。