第108回全国高校野球選手権(8月5日開幕・甲子園球場)の代表校を決める地方大会は、7月上旬に本格的に開幕。選手らの健康を守るため、厳しさを増す暑さへの対策は大きな課題だ。各都道府県の高野連がさまざまな工夫を重ねて運営を担っている。

■「救急搬送減った」
熱中症リスクが高い時間を避けて試合を行う2部制は、甲子園だけでなく、地方大会でも導入が進む。三重と富山は昨年に続き、朝と夕方に1試合ずつ行う完全2部制を採用。三重県高野連の栗谷佳宏理事長は「救急搬送や救護室の利用が目に見えて減った」と効果を実感している。試合が行われない日中もグラウンドへの散水で温度上昇を徹底して抑える。運営要員の確保や長時間労働は2部制の難点だが、可能な限り役員を朝夕に分け、日中は十分な休息を確保。第2試合の開始時刻は前の試合の影響を受けず、選手は食事も含めて調整しやすい。観客も炎天下に長時間さらされるリスクが低くなる。

山梨は比較的涼しい地域の富士北麓公園野球場での試合を除き、基本は午前9時と午後2時に1試合ずつ実施。徳島は準々決勝と準決勝の第1試合を午前10時、第2試合を午後3時、決勝を午前10時開始とした。
沖縄は大会期間を1週間ほど延ばして日程に余裕を持たせ、各会場で原則、午前開始の2試合とした。岐阜や熊本も全試合を午前開始にするなど早い時間帯での実施が全国的に目立つ。
兵庫は2023年から開会式と試合開始の日を分けている。五回終了時のイニング間隔を24年から延長しているほか、決勝の試合開始を午前に前倒し。昨年から閉会式は選手の負担を考慮し、場内行進を省略している。
■観客や応援団も
日本高野連は熱中症対策として、体の内部の温度「深部体温」を下げることの重要性を強調している。スポーツ飲料などをシャーベット状に凍らせた「アイススラリー」の摂取は効果が高く、地方大会でも活用が進む。沖縄は全加盟校に配布。青森は各ベンチ裏に常備し、山梨では選手に加えて審判員にも配る。愛知では大会中盤までの全選手分を用意する。
選手だけでなく、観客や応援団への対策も欠かせない。愛知は大会序盤で入場者に皮膚温度の冷却効果があるタオルを配布する。山梨では、応援に参加する生徒のため、スタンド下の通用門付近に凍らせた飲み物を用意。徳島では、客席裏にスポットクーラーを設置する準備を進めている。
























