兵庫県三木市内の防災士らでつくる「三木防災リーダーの会」の緑が丘グループが、地元に特化した防災啓発パンフレットを3500部作製した。恒例の防災訓練が中止となったため、各家庭で災害に備えてもらおうと、内容は自宅でできる対策に重点を置き、地域の防災意識向上を目指して配布している。(大橋凜太郎)
同会には防災士や県の「ひょうご防災リーダー講座」の受講者計73人が在籍し、緑が丘地域には17人が在住。中止となった防災訓練にも参加してきているが、「何か代わりにできることを」とパンフレットの製作を発案したのが、メンバーの村尾佳美さん(46)=三木市=だった。
5年前から緑が丘町公民館に勤務する村尾さんは、訓練などに参加する中で、地震だけでなく、風水害や広域災害を想定した備えを周知する必要性を感じていた。新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて早期に防災訓練の中止が決まったため、主催する「緑が丘町まちづくり協議会」の安全部会で提案した。
専門的な話を分かりやすく伝えるため、村尾さんが執筆した原案を、ほかのメンバーが知恵を出し合って洗練。ハザードマップの読み方や、災害に応じて避難場所が変わる点などを掲載する。
また自宅では、日頃の片付けや掃除が減災につながることを強調。ドア周辺に物を置かないことや、ガラスに飛散防止フィルムを貼ることなどを勧める。村尾さんは「日常の延長に防災を位置づけてもらえるような、負担の少ない考え方を広めたい」と話していた。
パンフレットは11月中旬から順次、自治会を通して緑が丘地域で配布しており、市のホームページでも閲覧できる。
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