阪神・淡路大震災の発生から丸26年となった17日。市民団体「神戸・心絆(ここな)」の事務所敷地内(兵庫県三木市志染町広野)には、約900本の竹灯籠が並んだ。一本一本に書き記されたのは、「心ひとつに」「安らかに」といった追悼のメッセージ。「防災のまち」を掲げる三木市から、犠牲者に祈りがささげられた。
同団体は、阪神・淡路大震災と東日本大震災の追悼行事のために、竹灯籠を準備している。本年度も竹の切り出し、加工などを着々と進めてきたが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、持参予定だった「ひょうご安全の日のつどい」に参加できなくなった。
しかし、同団体は事態を見越し、あらかじめ三木で式典を開く用意もしていた。17日は朝からメンバーが、「神戸1・17」「東北3・11」などの形に竹灯籠を並べた。午後2時に始まった式典には、ひょうごボランタリープラザの協力で、神戸の行事に出席予定だった宮城県名取市閖上(ゆりあげ)地区の住民も、ビデオ通話で参加した。
午後2時46分を迎え、神戸と東北の参加者は、共に黙とうをささげた。閖上地区の男性(58)は「皆さんの顔が見られてよかった。これからもつながり続けたい」と穏やかな表情を見せた。
防災士として防災教育にも携わるメンバーの男性(59)=兵庫県高砂市=は、「震災を知らない子どもたちに、記憶を伝え続けないといけない」と力を込めた。(大橋凜太郎)
