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高田哲夫さんのペン画「CRY-SIS クライシス」(部分、2017年)
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高田哲夫さんのペン画「CRY-SIS クライシス」(部分、2017年)

 兵庫県三木市在住の美術家高田哲夫(48)さんの個展「ドローイング&アーツ」が市立堀光美術館(同市上の丸町)で開催中だ。ボールペンによる細密なドローイングを中心に約70点が並ぶ。

 白黒のペン画は、大半が多様なモチーフで隙間なく画面全体を覆う作品。16世紀スペインの巨匠エル・グレコのキリスト像を引用した絵が目をひく。その一つ「CRY-SIS クライシス」は、キリスト磔刑図の周囲を、過激派組織「イスラム国」(IS)のメンバーやテロの犠牲となった人々の顔や目、遺体、昆虫や小動物、無数の模様が埋め尽くす。空白のない「空間恐怖」的構成で、アウトサイダーアートにも似る。

 キリスト教とイスラム教の対立など、さまざまな解釈が可能だろう。怒りや悲しみ…、ISの非道を告発しているのだろうが、圧倒的な死や暴力を前に、救世主たるイエスさえ無力に思えてくる。キリスト像と原爆のキノコ雲を描いた絵もある。

 重い主題の絵だけでなく、ロックスターのデヴィッド・ボウイやカート・コバーンを描いたペン画、自転車のサドルをペイントした作品、サイケデリックな色彩の立体アートも展示している。31日まで。月曜休館。入場無料。同館TEL0794・82・9945

(堀井正純)

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