昭和30年代の里山環境を復元しようと職員らが立ち上がった三木山森林公園(兵庫県三木市)。外来種を駆除し、芝生広場をかつての草原に戻す取り組みなどが奏功し、カヤネズミやニホンアカガエルといった多様な生物が定着した。四季折々の原風景にいぶく命をファインダー越しに紹介する。
■目を引く背中の瑠璃色
鮮やかな羽が目を引くルリビタキの雄は、三木山森林公園(三木市福井)の至る所で見られる。餌をとるために地面をつついたり、枝に留まって人間の様子をうかがったりする姿が目撃されている。
樹木医の梅木伸一郎さん(67)は1月下旬、園内を散策中に下池付近でルリビタキを発見した。「いろんなポーズをとってくれた」といい、背中の瑠璃色が際立つ様子を活写することができた。
「専門家によると、若鳥の羽は茶色く、冬を迎える度に青みが増していくそうです」と梅木さん。寿命は5年ほどで、写真に収めたのは限りなく死期に近い姿とみられる。「美しく年を重ねる」を地で行くルリビタキ。その背中は、りりしくもはかない。(大橋凜太郎)
