9月に兵庫県三木市志染町青山6の民家で発生した火災で、初期消火で延焼を防止したとして、市消防本部は9日、近隣住民の上垣敬さん(46)と小西翔太さん(30)に感謝状を贈った。林一成消防長は「協力がなければ被害が拡大していた可能性が高い。初期消火は非常に有効だった」とたたえた。
同本部によると、火災は9月4日午後に発生。敷地内の室外機などが燃え、住民の80代男性と50代女性が軽いやけどを負った。
隣の家に住む上垣さんは破裂音とガスの漏れるような音を聞き、2階の窓を開けると、火柱が目の前にあったという。すぐに自宅にあった散水栓で放水した。近隣に住む小西さんは、混乱した様子の住民男性に避難を促し、義父と消火器で消火活動に当たった。
林消防長から感謝状を受け取った上垣さんは「たまたまあった散水栓を活用できて、だんだん火が弱まっていった。延焼を防ぐことができて良かった」と振り返り、小西さんは「地域みんなで協力してそれぞれ行動できたのが、被害を小さく食い止めることにつながった」と話した。
同本部はこの火事で素早く通報し、被害の拡大を食い止めたとして、近隣住民の岡由香里さんにも後日、感謝状を贈る。(長沢伸一)
