兵庫県三木市吉川町内に整備予定の「県立総合射撃場」(仮称)の概要が17日、明らかになった。さまざまな銃種に対応した射撃練習場やわな猟の練習場を備えた全国初の施設となり、西日本では最大規模。全国レベルの射撃大会も開催できるといい、オープンは2023年度を予定している。施設本体は県の事業で、市は周辺道路の整備などを進める。同日の市議会民生産業常任委員会で示された。(長沢伸一)
同施設は、県が狩猟者育成の拠点として吉川町福井・上荒川地区で整備を目指している。県有林約80ヘクタールのうち、射撃場として約12ヘクタール、残りの約68ヘクタールを狩猟体験フィールドとして活用する。3面のクレー射撃場に加え、「ライフル」「スラッグ」「空気銃」での標的射撃場、管理棟などを備えるという。
県は10月に工事を担当する企業体と契約を締結した。今月から県有林の伐採を開始しており、来年1月から造成工事に入る予定。
市は射撃場と狩猟体験フィールドのアクセス道路として、市道上荒川吉安線の未整備区間約500メートルと、県有林内にある老朽化した農業用ため池の整備を行う。費用は、県が市に1億円を拠出。市は基金に積み立て、進捗(しんちょく)に合わせ予算化し、事業費に充てる。来年1月に県と市で覚書を交わすという。
県の担当者は「獣害は農業被害につながる。猟友会も高齢化しており、人材を維持できるように取り組む」とし、市の担当者は「県と協力しながら、獣害対策を担う人材を育てる場所にしていきたい」と話している。
