正月に迎えた神様を送る伝統行事「とんど焼き」が10日、兵庫県三木市口吉川町殿畑地区で行われた。地元住民ら約30人が参加し、1年の健康と安全を祈った。
小正月の火祭りでもあるとんどは1月14日夜や15日朝に営まれ、左義長や法成就などと各地で呼び名を変えながら営まれている。殿畑地区では、同地区自治会と殿畑老人クラブが主催。以前は個人で取り組んでいたが、約10年前から地区で行うようになったという。
殿畑公民館の敷地では、住民らが地元の竹とササを使って高さ10メートルほどの山を組み上げ、正月飾りなどを添えた。市内に響く正午のサイレンに合わせて点火すると、勢いよく燃え上がり、熱気とともに竹の爆(は)ぜる音が周辺に響いた。
住民らは書の上達を願って正月の書き初めを火にくべたほか、とんどの火で焼いた餅を食べて無病息災を祈り、同老人クラブの井上達夫クラブ長(72)は「立派なとんどができた。コロナ禍ではあるが、住民のみなさんが1年を健康無事に過ごせることができれば」と目を細めた。(篠原拓真)
