役員の負担を軽減しようと、兵庫県三木市の自由が丘北地区自治会が配布物のデジタル回覧に取り組んでいる。転入者の未加入や高齢化に伴って加入率は減少傾向で、同地区自治会では「役員の負担を軽くすることで誰でもできる自治会活動にし、非常時のコミュニケーションを維持したい」とする。(長沢伸一)
自由が丘北地区自治会には760世帯が参加している。かつては90%だった加入率は現在85%に減少。地区内の草刈りや回覧板配布、募金活動など役員の負担が大きく、前会長の森田和彦さん(57)と現会長の今堀照世さん(52)らが中心となり、役員業務の見直しを進めた。
刊行物の回覧は、昨年から地区の一部で交流サイト(SNS)を活用した。「見落としなく、振り返って見られる」「次に回すことを考えずに気兼ねなく読める」と好評だった。
本年度からは、業者のビジネスシステムを活用して、6月ごろから正式に運用を始める。メールかLINE(ライン)で回覧物をデジタル送信するほか、自治会と住民が個別にやりとりすることができる。
電子化の費用などとして近隣では最低額だった自治会費(300円)を400円に値上げ。紙での希望者には従来通り回覧板を回すという。森田さんは「新型コロナウイルス下でリモートの普及が進んだ。役員会の日決めも大変なので、電子回覧を使った定例会などに発展できれば」とさらなる活用を描く。
役員の負担が大きい募金活動も自治会費から一括して行う形式とし、草刈りは地区内でボランティアを募集して役員の業務を軽減する。今堀さんは「少子高齢化が続いても地区が衰退していかないよう、時代に即応した自治会活動に努めたい」と話している。
