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 園児送迎用バスの置き去りを防止しようと、デジタル技術を使った実証実験が15日、兵庫県三木市内2カ所の認定こども園で始まった。バス内に設置した複数のQRコードをスマートフォンで読み込むと、車内見回りの完了通知が園などに届く仕組み。現場に応じた運用を探りながら、園児の安全、保護者の安心、園の負担軽減を目指す。(小野萌海)

 市と音響通信を開発するエヴィクサー(東京都)、市保育協会が連携。9月に静岡県の認定こども園で、女児が通園バスに置き去りにされ、熱中症で死亡した事件を受け、同社が開発したシステム「おりた」を同市で初めて活用する。実験はあけぼの認定こども園(同市志染町井上)といずみ認定こども園(同市口吉川町大島)で約2カ月間行う。

 実験初日のこの日、あけぼの認定こども園にバスが到着すると、園児の降車を確認し、運転手を務める藤原和則園長(45)がスマホでアプリを起動した。1列ずつ座席の間をのぞき、車内の壁などに貼られた「前列右側」「最後列」などのQRコードを読み込み。全ての項目に「OK」が表示されると完了ボタンを押す。同時に園に「送迎バス1号車車内確認が終了しました」とメールが届いた。

 同園では普段、保育士や運転手が、乗車人数と降車人数を目視で照合しているが、藤原園長は「命の重さを考えれば、この一手間が大事。システムで記録が残るのにも期待できる」と話す。

 同社によると、車内に貼るQRコードはシールのため、バスの大きさに合わせて設置枚数を変更できる。実験では通知は園のみだが、メールアドレスを登録すれば、保護者らに送ることも可能。同社の瀧川淳社長(43)は「すぐに導入できる手軽さがポイント。現場のニーズに合わせて使い方を工夫できる」とする。

 市教育・保育課によると、市内では4園が送迎バスを運用し、9月の調査でヒヤリ・ハットなどはなかったという。同課は「チェックの主体はあくまで人で、デジタル技術が補助をする。QRコードに気を取られて園児を見落とすことなどがないよう、方法を探っていきたい」としている。

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