災害時に避難所が使用できなかったり、不足したりした場合に備え、兵庫県三木市はコンテナホテルを導入する取り組みを進めている。災害時の移動式宿泊施設事業を運営する「デベロップ」（千葉県市川市）と協定を結び、臨時避難所や仮設宿泊施設としてコンテナホテルを活用し、災害時の市民生活を整える。

　同社との協定締結は県内自治体では初めて。三木市内で災害が発生した際などに、市の要請で優先的にコンテナホテルが提供される。同社は全国に約５０の出動拠点とコンテナホテル１６００室以上を有する。関東地域の自治体を中心に、同様の協定を結んでいる。

　１３平方メートルのコンテナモジュール１台が１室となる。内部にはベッド、ユニットバスなどが備わっている。配置を換えれば診療室や臨時病床に転用でき、新型コロナウイルス感染症対策としても利用されている。２０２１年１２月からは、オミクロン株への対応のため、栃木県や千葉県、東京都の要請を受け、約１５０室を提供した。

　今回の締結には、三木市に同社から提案があったという。近年は災害の激甚化が進み、市危機管理課は「新型コロナウイルス対策で収容可能人数を減らしており、災害時に避難所不足が想定される。コンテナホテルの提供はありがたい」とする。

　また、市は災害弱者支援も視野に入れる。コンテナホテルは個別空間を提供できるため、大勢の人がいる環境が苦痛となる発達障害者や、乳児を抱えた家族らへの利用も進める意向。同課は「災害時に予定している避難所が必ず使えるとは限らない。今回の協定も含め安全・安心なまちづくりに努めていく」としている。