1日に京都であった「近畿中学校駅伝」で、三木東中の3年在里(ありさと)悠希選手が残り200メートルでトップを抜き、ゴールテープを切った。在里選手はもちろん、駆け寄る選手たちも顧問の渋谷優美教諭もみんなが泣いた。初めての栄冠を手にした選手たちの涙には理由があった。(小西隆久)
■新人駅伝で優勝→県大会4位
今年2月、県中学校新人駅伝で初優勝した男子。顧問の渋谷教諭と選手たちは「このメンバーで全国大会に行こう」と約束した。しかし今季の東播地区大会は神吉中(加古川市)に屈し、全国を懸けた県大会でも4位に終わった。約束は果たせなかった。
「県大会の結果は、選手を信じてやれなかった私の采配ミス」。渋谷教諭がこう振り返るのは、3年扶蘇一颯(ふそいぶき)選手のことだ。9月に扶蘇選手は肺炎にかかり、約3週間、全く走ることができなかった。県大会直前に復帰したが、体重も落ち、ベストとはほど遠い状態にあった。