昨年4月13日に開幕した大阪・関西万博。まだ客足が低調だった同月下旬、会場の一角で開かれた「ジャパンエキスポ・パリin大阪」という小さな関連イベントに「三木金物」の文字があった。三木金物商工協同組合連合会などが手裏剣や包丁を展示したが、立ち寄る人は少なく、訪日客はほとんどいなかった。
本家のジャパンエキスポは、日本文化に高い関心を寄せる欧州の人たち20万人以上が集まる巨大見本市だ。25回目を迎えた今年は7月にフランス・パリで開催され、万博で挫折を味わった三木の職人集団が「ARTISANS DE MIKI」(アルチザン・ド・ミキ)という名で、このビッグイベントに出展した。
メンバーの一人、芦原強さん(56)が社長を務める関西洋鋸(ようのこ)(兵庫県三木市本町3)は世界的な忍者人気にあやかり、25年ほど前から観賞用やアクセサリーとして手裏剣を製造。高い技術を生かした本格的なつくりで認知度を高めている。
昨年の万博では芦原社長が自ら忍者姿になり、来場客をもてなした。「サブカルチャーに特化し、三木金物の技術力をアピールしたかった」と意気込んだものの、反応はいまひとつ。忍者の衣装を着て各国パビリオンを見学すると記念撮影をせがまれるのに、肝心の商品がPRできなかった。
これまで、世界各国のハードウエアショー(金物見本市)に出展し、大規模であればあるほどライバルも多く、客の関心が他に向くことが課題だったという。「何にでも出展するのは意味がない」。万博では期待外れに終わったが、そこでの接客とジャパンエキスポの関係者との出会いから貴重なヒントを得た。
「ターゲットを絞って調査と開発を重ねれば、刺さるポイントは必ずつかめるはず」
パリでの出展に向け、手裏剣の金型を新たに製造し、「風」や「水」など日本の風土とつながるテーマを6種類の商品ごとに設定。現地では忍術の意味や歴史を紹介する展示も好評を博し、ベルギーとフランスの雑貨店から販売契約の申し込みが届いた。アイデアの勝利だった。
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「世界に誇る三木金物」は、海の向こうで通用するのか。今夏、4人の金物職人が酷暑のパリに入り、日本文化を愛する欧州の人たちに「かなもん」の魅力を売り込んだ。(大山伸一郎)
【メモ】「ジャパンエキスポ・パリ」は、アニメ、漫画、ゲーム、音楽などのポップカルチャーや武道、観光など日本文化全般を幅広く紹介する総合イベント。7月、パリのノール・ヴィルパント展示会場で開かれ、4日間で22万2千人が来場した。
























