人と人をつなぐ場として設けられた屋上の庭園。町を眺めると、震災後にできた住宅が建ち並ぶ=宝塚市売布2

人と人をつなぐ場として設けられた屋上の庭園。町を眺めると、震災後にできた住宅が建ち並ぶ=宝塚市売布2

 阪急宝塚線の売布神社駅前。閑静な住宅街が広がる一角に「ピピアめふ」はある。阪神・淡路大震災の4年後、崩れた市場や商店街の跡に誕生した復興再開発ビルだ。この辺りは宝塚市内で被害が大きかった地域の一つで、店舗や住宅の約7割が全半壊した。

 1階で薬局を営む男性によると、ビルは防災機能も併せ持つという。シャワーや調理場、地下水をくみ上げるトイレを備え、市の予備避難所に位置付けられている。店内の壁に川柳を見つけた。「揺れている 地面と心 落ちついて」。約15年前に公募した防災標語を飾り続けているらしい。

カラフルな外観のピピアめふ(中央上)。周囲には震災後にできた住宅地が広がる=宝塚市泉ガ丘から