医療用ウィッグ(かつら)のために髪の毛を寄付するヘアドネーションに、9歳ながら2回目の挑戦をした男の子がいる。神戸市灘区の関西国際学園神戸校に通う野口史貴さん(10)。1回目は、両親の願いで髪を伸ばしていたのがそもそものきっかけだったが、今回は自らの意思で決めたという。40センチほどばっさり切って「必要な誰かにちゃんと使ってもらいたい」と力を込める野口さん。気が早いですが、さあ、3回目の挑戦は-?
6月中旬、4年ぶりの散髪の日は、あいにくの雨だった。
夕方、学校終わりで運動着姿の野口さんは、母(52)と一緒に阪急岡本駅近くの「テラス岡本」へ。ヘアドネーションの活動に賛同し、寄付に必要な長さを測って切ってくれる美容院だ。
130センチほどの身長の腰辺りまで伸びた髪の毛。ヘアゴムで結ばれているものの、緩くウエーブがかかり、毛先はカールしている。
「雨の日は、いっつもこう」。そうぼやきつつ、美容師の男性が出てくると元気よく「こんにちは」とあいさつする。奥の席に案内され、深く腰を下ろすと、少し寂しそうに髪をいじった。
■5歳で初めてのヘアドネーション
4年前、2021年の散髪も、6月だった。