高齢男性の詐欺被害を未然に防いだとして、兵庫県警福崎署は、同県市川町住民環境課の坂本和昭課長(57)に署長感謝状を贈った。坂本課長は「防犯を担当している課として業務を遂行したまでだが、受賞が啓発につながれば」と話した。
10月上旬の午後、業務で町内にある無人ATMを訪れた坂本課長は、偶然70代の知人男性と出会った。男性が「還付金の手続きを嫁がしよるから、時間がかかるけどええか」と話したため「ATMで還付金は受け取れない。詐欺だ」と確信。「ボタンを押したら終わりや」と男性に妻を止めるよう働きかけた。男性と妻は当初、詐欺とは思っていない様子だったが、坂本課長は有人の窓口で確認するよう勧めた。男性の親戚にも連絡し、付き添うよう頼んだ。その後、詐欺だと分かり、男性が同署に通報したという。
同署によると、男性宅には、農協職員を名乗る男から「医療費の還付金があるからATMで手続きをするように」との電話がかかってきていたという。
芳本忠佳署長は「ためらわずに声をかけてくれて心強い」と感謝を述べた。
今年1~9月に同署が把握した神崎郡内の特殊詐欺被害件数は3件で、被害総額は計約460万円に上っている。(喜田美咲)
























