地球を卵に例えると、外側の殻の部分がプレートです。プレートは大きく14~15に分かれていて、衝突するとひび割れが生じます。それが断層です。地震の多くは断層で生じます。プレートには陸のプレートと海のプレートがあり、海のプレートの比重が重たいために、衝突すると陸のプレートの下に海のプレートが沈み込みます。一定の深さまで海のプレートが沈み込むとマグマが生じ、火山が出来ます。
日本列島には四つのプレートが集まっています。そのために地震や火山が多いのです。しかし、だからこそ風光明媚(めいび)な自然環境があり温泉が湧きます。それを求めて海外からも多くの観光客が来られています。
縁があり、今月モロッコを訪問していました。7日に帰国したのですが、直後に地震が起こりました。
モロッコはユーラシアプレートとアフリカプレートが衝突してアトラス山脈ができ、地中海の気候とサハラ砂漠を分けています。カサブランカから列車でマラケシュに移動しました。沿線の風景は乾燥した大地ばかりですが、神の国という意味を持つマラケシュに着くと風景が一変します。
マラケシュの南には北アフリカ最高峰のツブカル山(4167メートル)がそびえています。そこからの伏流水で、水が豊富で緑豊かです。粘土と石灰で固められた周囲10キロの内側が旧市街で、中心部にフナ広場があります。昼間はヘビ使いなどの大道芸人たちがいますが、夜になるとすごい数の屋台が並んでいます。今回、旧市街の中のホテルに泊まりました。
迷路の中を進んでいき、「アリババと40人の盗賊」の物語に出てくるような扉がホテルの入り口で、看板もありません。ホテル内はきれいに整備されています。高さ制限があり、多くの建物は3階建てで、屋上部分はルーフトップレストランになっています。いったんホテルの外に出ると街は迷路で、何度も迷いました。スマホの地図アプリが頼りでした。
もし何日かずれて滞在中に地震に遭ったとしたら、その時はどうしたでしょうか。おそらく壁が崩れて扉が開かないだろう。ホテルの中央は吹き抜けになっているので、そこを利用して屋上に上がる。おそらく停電だし、通路も迷路で崩れているなら、余震の心配もあるから日が昇るまで屋上で待機だな…。
私たちは、変動帯と呼ばれているプレートの境界で暮らしています。南海トラフ地震がいつ起こってもおかしくないと言います。もしもの時はどうするかを、少し考えておくことが必要だと思います。一方、そのご褒美として景色のよい季節が始まります。そして温泉はいかがでしょうか。(有馬温泉観光協会)
























