動画を制作してきたサンピースの大向勲さん(右端)と荒井隆一さん(左端)、三田空襲を経験した証言者たち(提供)
動画を制作してきたサンピースの大向勲さん(右端)と荒井隆一さん(左端)、三田空襲を経験した証言者たち(提供)

 「数メートルしか離れていない児童が機銃掃射で亡くなった」「パイロットの顔まで見えた」-。太平洋戦争末期の1945(昭和20)年7月19日、児童4人と女性1人が亡くなった三田空襲を生き延びた人たちの証言だ。小学校長2人が中心となって活動する団体「SUNPEACE(サンピース)」が、それらの声を動画に収めてきた。すでに亡くなった証言者もいる戦後80年の今、空襲の記憶を「未来へ」と切に願う。(尾仲由莉)

■児童4人と女性1人が死亡

 伝承活動を進めるサンピースは、三田市の武庫小学校校長の大向勲さん(59)と、すずかけ台小学校校長の荒井隆一さん(53)が2015年に設立。大学生ら若い世代にも参加を呼びかけ、18年8月には初めて動画を制作した。