山の傾斜面を彩る多彩な桜=三田市藍本
山の傾斜面を彩る多彩な桜=三田市藍本

 兵庫県丹波篠山市境に近く、藍丸山城跡(同県三田市藍本)とされる低山の傾斜面に植わる桜が見頃を迎えた。濃淡のあるさまざまな品種が同時に花を咲かせ、地域住民の目を楽しませる。

 手入れをするのは、地元で生まれ育ち、県自然保護協会理事長などを務めた谷口誠司さん(77)。山にはエドヒガンやシダレザクラ、ソメイヨシノなど8種の桜が並ぶ。

 谷口さんによると、山は元々別の地域住民が所有していたが、宅地開発を目的に買い取られ、その後、市街化調整区域となって手付かずの状態だった。旧日出坂村のこの地域は、「北は日出坂 さくらが丘よ」とうたわれた名所で、母から思い出話をよく聞かされたという。

 谷口さんは、65歳で会社経営から手を引き、「かつて桜の名所だったこの地域で、桜の景色を復活させる」と決意。1年掛かりで東京にいた当時の所有者を見つけ、買い取った。

 繁茂するササの伐採や重機を使った整地などを経て、2014年に桜など数百本を植樹。地域で親しまれる場となった。

 晴れ間に花見を楽しんでいた地元の70代女性は「雨の日が続くと聞いて、慌てて弁当を用意して出て来た。毎年きれいで感激する」と笑顔だった。(谷川直生)