助け求める住民の電話殺到。
役場に気象台からの連絡が入らなくなった
佐用町で18人が亡くなり、2人が行方不明となった県西・北部豪雨は、9日で発生から丸15年を迎える。人口約2万人(当時)のまちを襲った水禍の教訓は、どう生かされているのか。まずは当時の状況を時系列で振り返る。(村上晃宏、真鍋 愛)
2009年8月9日。佐用町の空は厚い雨雲に覆われ、朝から断続的に雨が降っていた。
午後2時15分。播磨北西・南西部に大雨洪水警報が出された。「土砂崩れの発生や河川の増水に注意するように」。町長の庵逧典章(あんざこのりあき)は、休日の町役場に集まった幹部らにそう指示した。