明治政府高官で日本の近代化に貢献した上郡町出身の大鳥圭介(1832~1911年)。大政奉還後の戊辰戦争では、旧江戸幕府幕臣として新政府軍に徹底抗戦した。その勇躍ぶりをテーマにした歴史講演会「箱館戦争の大鳥圭介 旧幕府を支えた『基柱』」が28日、町生涯学習支援センター(同町上郡)で開かれる。勝ち目がなくなっても悲観せずに生き抜き、技術大国の礎を築いた真摯(しんし)な姿に迫る。(佐藤健介)
赤穂郡細念村(現・同町岩木地区)に生まれた圭介は、岡山の閑谷学校や大坂の適塾で儒学や蘭学(らんがく)を習熟し、江戸幕府の歩兵奉行に起用された。明治政府が旧江戸幕臣らの排除を狙った戊辰戦争では、土方歳三や榎本武揚らと会津地方や北海道の箱館五稜郭で戦った末に敗れ、投獄された。