メリケンパークに設置される光の回廊「ガレリア」の入り口部分のイメージ。有料で鑑賞できる(神戸市提供)
メリケンパークに設置される光の回廊「ガレリア」の入り口部分のイメージ。有料で鑑賞できる(神戸市提供)

 時期や内容を大きく変更して来年1月19~28日に開催される阪神・淡路大震災の追悼行事「神戸ルミナリエ」の組織委員会(会長=久元喜造神戸市長)は1日、詳細な内容を発表した。ルミナリエの象徴である光の回廊「ガレリア」の場所を初めてメリケンパークに移し、入場を有料化する。また資金調達の手段として、ふるさと納税を使ったクラウドファンディング(CF)を初めて導入。CFの返礼品としてもガレリアの入場券を用意する。これまで警備費が膨らむ一方で企業協賛金などが減り、継続が度々危ぶまれてきたが、持続可能な道筋を探る。

 ルミナリエは1995年の第1回以降、毎年12月に開かれてきた。今回は、新型コロナウイルス禍を挟んで2019年以来の本格開催で、初めて震災が起きた1月に開く。組織委によると、開催費用約5億円のうち雑踏警備費は年々増え、全体の約3割。一方、19年の企業協賛金や会場募金は計約2億3千万円で、10年間で約9千万円減少した。

 今回は密集回避のため、神戸市中央区の旧居留地を中心に、光の装飾や作品を10カ所余りに分散。大規模な交通規制を実施せず、警備費を従来より約3割減の1億円程度に圧縮できる見込みという。

 11月20日からは、ふるさと納税を活用したCFを始め、返礼品として有料エリアの入場券(前売り500円、当日千円など)を用意する。会場周辺の飲食店などで使えるサービスも返礼品に盛り込む予定。

 市などによると、東遊園地では芝生広場に光の壁かけ装飾「スパッリエーラ」(全長39メートル、高さ19メートル)、南側に光の聖堂「カッサ・アルモニカ」(直径7・6メートル、高さ11メートル)を配置。同区の三井住友銀行神戸本部ビル前には、高さ約10メートルのツリーや光の看板(高さ約7・2メートル、幅約14~18メートル)を並べる。そのほか、旧居留地を中心に円形の装飾「ロソーネ」(直径約3メートル)などを展示する。

 有料化するメリケンパークのガレリアは全長70メートル、高さ15メートル。入場者数の1時間ごとの上限を決め、指定の時間内は会場にとどまれる仕組みに変更する。入場券購入者向けに、拡張現実(AR)を活用し、スマートフォンの画面でスパッリエーラやガレリアが楽しめる仕掛けなども導入する。(金 旻革)