植樹帯を撤去する前の歩道。街路樹や雑草が生い茂っている=2022年6月、猪名川町紫合、兵庫県道川西篠山線(兵庫県提供)
植樹帯を撤去する前の歩道。街路樹や雑草が生い茂っている=2022年6月、猪名川町紫合、兵庫県道川西篠山線(兵庫県提供)

 中古車販売大手ビッグモーターの店舗前で、勝手に切られるなどしたことが判明し、注目を集めた街路樹。かつて国の道路緑化方針で植樹が広がったが、近年その必要性が問われている。兵庫県内では成長した樹木の管理が追い付かず、交通に支障が出て撤去を余儀なくされるケースも。国は方針を見直し、住民らが街路樹の活用を考える地域も出てきた。

 ■歩行者の安全確保

 兵庫県猪名川町を南北に貫く県道川西篠山線。同町紫合の道路脇の歩道にあった植樹帯が昨年9月、約450メートルに渡って撤去された。

 歩道幅の3~4割を占める植樹帯にはハナミズキが植えられ、雑草が生い茂っていた。地元の要望を受け、県が年2回、草刈りをしていたが追い付かず、歩行空間を狭くしていた。

 撤去して舗装し直したことで空間が幅1メートルほど広がり、近くの県立猪名川高校に自転車で通う男子生徒(18)は「向こうから来た人とすれ違いやすくなった」と歓迎する。