「WHO神戸センター」が入居する国際健康開発センタービル=神戸市中央区脇浜海岸通1
「WHO神戸センター」が入居する国際健康開発センタービル=神戸市中央区脇浜海岸通1

 阪神・淡路大震災を機に、兵庫県と神戸市、地元経済界が復興のシンボルとして誘致した世界保健機関(WHO)神戸センター(神戸市中央区)が岐路に立っている。災害医療や保健などの研究拠点となってきたが、県と市が毎年負担する運営費約4億円が財政を圧迫。震災30年を前に「県内にあるメリットが見えない」との指摘もあり、県などは財政支援の打ち切りも含めて在り方を検討する。

 同センターは、国内初のWHO直轄研究機関として1996年に開設。98年4月には、神戸市中央区、灘区の東部新都心(HAT神戸)に完成した国際健康開発センタービルにオフィスを構えた。震災復興の中核施設とされ、周辺には、国際協力機構(JICA)関西国際センターなどの国際機関や人と防災未来センター、県災害医療センターが集積する。