米マイクロソフト(MS)が人工知能(AI)開発支援拠点を開設し、スーパーコンピューター「富岳」では生成AIの基盤技術開発が始まるなど、AI技術開発で神戸が優位性を高めている。対話型AI「チャットGPT」の登場は新次元を予感させた一方、人間社会の脅威となることに警戒も根強い。競争のかたわら、AIと人間の共存に向けた模索が続く。(竜門和諒)
MSの拠点「AI Co-Innovation Lab(エーアイ・コイノベーション・ラボ)」は昨年10月、神戸市中央区の神戸商工貿易センタービルにオープンした。
アジアでは上海に続く2カ所目、日本では唯一となった。見学や相談が殺到しており、国内企業にとどまらず、インドやオーストラリアなどの海外企業も関心を示しているという。
MSの誘致は神戸市などが進めた。国際港湾都市として発展し、製薬会社やベンチャーなど363社(2023年11月末)が進出する国内最大級の医療産業集積地に成長。これらを強みに誘致を成功させた。