今年8月で誕生100周年を迎える甲子園球場(兵庫県西宮市)。これまでに同球場で開催されたプロ野球の公式戦は計5573試合に上り、その全ての対戦成績を芦屋市の会社員、大森正樹さん(57)が調べ上げた。勝利数は当然ながら阪神タイガースが最も多いが、最も高い勝率を残す「最強」の球団は、阪急ブレーブス(現オリックス・バファローズ)だった。1リーグ時代(1936~49年)は阪神以外の球団も甲子園で多くの試合をしており、そこで阪急が大暴れしたという。(足立 聡)
甲子園は1924(大正13)年8月1日に開場。プロ野球の試合は12年後の36(昭和11)年に始まった。この年、大阪タイガース(現在の阪神)や巨人、阪急など7球団による「日本職業野球連盟」が発足。リーグ戦の開幕戦が甲子園で行われた。
東京生まれの大森さんは9歳の時に黄色と黒のデザインにひかれて以来のタイガースファンだ。大学卒業後、就職を機に兵庫県に移り住み、現在はデザイン関係の仕事をする。会社勤めの傍ら虎マークのデザインを研究したり、阪神にまつわるデータを収集・分析したりしている。
甲子園が100周年を迎えることから、2023年までに同球場であったプロ野球公式戦の戦績を調べることにした。阪神戦4784試合のデータは収集済みだったが、阪神戦以外にも789試合が開催されていることが判明。野球殿堂博物館(東京)や図書館などで資料を探し回り、試合日程や対戦相手、勝敗などを一つ一つ突き止めた。