避難所となるはずの集会所が被災したため、ビニールハウスで避難生活を続ける住民たち=2月25日、石川県珠洲市正院町(撮影・中西幸大)
避難所となるはずの集会所が被災したため、ビニールハウスで避難生活を続ける住民たち=2月25日、石川県珠洲市正院町(撮影・中西幸大)

 激震から2カ月。石川県能登半島では、倒壊した住宅、崩れた道路や山肌がそのまま残る。避難先から片道4時間以上かけて自宅の片付けに通う夫婦は「涙は今でも出ます」と顔を覆った。避難所生活をまとめる男性は「(みんなも自覚していない)ストレスがたまるころ」と、自宅再建や仮設住宅の入居が見通せない現状に焦りを募らせる。町や人の暮らしに深く刻まれた傷が生々しい。(中西幸大、篠原拓真)