能登半島地震は発生から5カ月がたった。被災地には兵庫県内の自治体からも多くの職員が派遣され、業務の応援に当たっている。現地での人手不足は復興への足かせにもなりかねず、神戸市や県は複数の職員を1年間にわたって滞在させる方針を決めた。阪神・淡路大震災の経験を踏まえ、被災者への情報発信や対話など取り組みは広がる。
神戸市は広報業務のサポートに力を入れる。地震発生から間もない1月中旬、石川県珠洲(すず)市に派遣された神戸市須磨区の副区長、末若雅之さん(53)は、ウェブや交流サイト(SNS)を使った情報発信に手が回っていないと感じた。
紙媒体による発信が中心だった阪神・淡路当時は、灘区役所に勤務。家屋の解体や罹災(りさい)証明、義援金など被災者からの電話対応に追われたが、情報が次々と更新されたため、正確に案内できず、混乱を招いた記憶があった。