車に乗り込む金沢成樹こと金成行容疑者(左から2人目)=神戸市中央区神戸空港
車に乗り込む金沢成樹こと金成行容疑者(左から2人目)=神戸市中央区神戸空港

 神戸市長田区のラーメン店で2023年4月、特定抗争指定暴力団山口組系傘下組織組長の男性店主が射殺された事件で、兵庫県警長田署捜査本部は7日にも、組織犯罪処罰法違反(組織的殺人)などの疑いで、指定暴力団絆会幹部の金沢成樹こと金成行容疑者(55)=別の殺人や殺人未遂の罪で起訴=を逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で分かった。

 捜査本部は、絆会系組員ら数人も事件に関与した疑いで逮捕する方針。組織としての意思決定などが背景にあった疑いがあるとみて、金容疑者らとの関係や役割について慎重に裏付けを進める。

 事件は23年4月22日午前に発生した。神戸市長田区東尻池町9のラーメン店で、余嶋学組長=当時(57)=が撃たれて死亡。店内には薬きょうが落ちており、司法解剖で余嶋組長の頭部から銃弾が確認された。

 捜査関係者によると、店内で拳銃は見つかっておらず、捜査本部は発砲した何者かが持ち去ったとみて捜査。金容疑者が滞在していた仙台市内の住宅で今年2月に押収された拳銃を鑑定したところ、発射した銃弾が銃身を抜ける時に残る「線条痕」が、余嶋組長の殺害に使用されたものと一致したという。

 金容疑者は、長野、茨城両県であった2件の発砲事件に関与したとして逮捕、起訴されている。兵庫の事件に関与した疑いがある絆会系組員らは、詐欺などの容疑で既に逮捕されているという。