自民党兵庫県連会長の末松信介参院議員(兵庫選挙区)が14日、神戸市内で開かれた県連大会で、パワハラ疑惑などが指摘される斎藤元彦知事に「大きな正しい決断をしていただきたいと強く願っている」と述べ、辞職を含めた早期の政治判断を促した。斎藤知事は大会を欠席し、服部洋平副知事が代理出席した。
自民は2021年の知事選で日本維新の会とともに斎藤知事を推薦したが、元西播磨県民局長による告発文書問題の対応や、県立大無償化事業など「維新色」の強い政策を根回しなしに打ち出す知事の政治手法などを巡って、不信感を募らせていた。
末松会長は、文書問題で告発者の元県民局長が7日に死亡したことや、最側近の片山安孝副知事が辞表を提出したことなどを受け、「今まで見たことがないほど県政が混乱している。県職員のモチベーション低下や行政サービスの停滞があってはならない」と指摘。「3年前、いろんな意見がある中で推薦を決めた。こういう結果になっていることはざんきに堪えない」とし、推薦を出した党としての責任にも言及した。
斎藤知事は「県政を前に進める責任がある」として続投を表明しているが、「担いたいということと、実際に担えるかは別。知事は冷静に現状を判断し、考えてほしい」と突き放した。
斎藤知事は就任以来、県連大会に毎年参加し、この日も出席予定だったが、直前に「総合的に判断した」として欠席した。(前川茂之)