36人の命が奪われた京都アニメーション放火殺人事件は、18日で発生から5年となった。今年1月、京都地裁は青葉真司被告(46)に死刑を言い渡したが、被告が控訴。「決着がつくまで、事件は終わらない」。赤穂市出身のアニメ監督武本康弘さん=当時(47)=を失った母千恵子さん(75)は気持ちの整理がつかないまま、この日を迎えた。(小谷千穂)
判決公判のあった1月25日。康弘さんの父保夫さん(81)と千恵子さんは「最後だけでも」と初めて京都地裁に足を踏み入れた。青葉被告が反省する姿を見たいとの思いもあった。
被告が車椅子で法廷に姿を現すと、千恵子さんは「本当にいるんや」と少し動揺したという。傍聴席は被告の真後ろだったため、ただ背中をじっと見続けた。