各地の港湾で、コンテナの積み降ろしに欠かせないガントリークレーン。その操縦技術を実践的に学ぶため、日本で唯一、国内主要港と同規模の練習専用クレーンを備えた施設が、神戸・ポートアイランドにある。「港湾の花形」とされる高度な技術を習得しようと、全国から受講者が訪れている。(鈴木雅之)
■現場同様の操作、集中指導
7月中旬、神戸港の一角にある「港湾技能研修センター」(神戸市中央区港島9)で、クレーン操縦の訓練が行われていた。
地上36メートルの高さにある運転台。博多港でコンテナ荷役に携わる中村颯さん(26)=福岡県粕屋町=が、運転席から眼下のコンテナをのぞき込みながら、ハンドルを慎重に動かす。
コンテナをつり上げ、目的の場所に正確に移動させる訓練で、ヤードと船倉に見立てた枠組みとの間で出し入れを繰り返していく。この施設では、実際に船を着岸させて練習することも可能だ。