定例会見で報道陣からの質問に答える兵庫県の斎藤元彦知事(奥中央)=神戸市中央区下山手通4(撮影・風斗雅博)
定例会見で報道陣からの質問に答える兵庫県の斎藤元彦知事(奥中央)=神戸市中央区下山手通4(撮影・風斗雅博)

 告発文書を作成した元西播磨県民局長の男性(60)を公益通報者保護の対象とせず、懲戒処分にした経緯を説明した兵庫県の斎藤元彦知事。「文書は居酒屋などでのうわさ話を集めて作成した」との元局長の供述を強調し、「真実相当性がなく、外部通報の保護要件に当たらない」と対応の正当性を繰り返した。一方で、元局長が生前にしていた説明と食い違う点もあり、会見では矛盾点を問う質問が相次いだ。

■「うわさ話の話はしていない」矛盾を指摘

 斎藤知事は、県の特別弁護士2人から法的助言を受けて作ったパネル2枚を持ち込み、会見に臨んだ。

 知事の説明によると、最初に文書を把握したのは3月20日。民間の知人から情報提供を受けたと明かし、翌21日に片山安孝副知事(当時)や幹部らと対応を協議した。この時点で既に元局長の関与の可能性が浮上していたといい、知事は調査を指示した。