多くの外国人観光客が訪れる姫路城。入城料も英語で表記されている=姫路市本町(撮影・辰巳直之)
多くの外国人観光客が訪れる姫路城。入城料も英語で表記されている=姫路市本町(撮影・辰巳直之)

 世界文化遺産・国宝姫路城を抱える姫路市が、その入城料を巡って揺れている。清元秀泰市長は6月に「世界の標準だ」として外国人観光客の値上げを検討していると表明。ただ、国内で外国人に特別な負担を求めている城郭施設はなく、庁内や市議会からは「城のイメージを下げる」と慎重な意見も出ている。(井上 駿、真鍋 愛)

 「7ドルで入れる世界遺産は姫路城だけ。外国の人は30ドル払っていただき、市民は5ドルぐらいにしたい」。発端は6月、市内で開かれた国際会議で清元市長が述べた発言だった。

 市は石垣の修繕など維持管理に必要な経費を捻出するため、入城料(18歳以上千円)の値上げをかねて検討していた。仮に市長の発言通り外国人を30ドルにすると、日本円換算では現在の4倍以上になる。