「ずっとここに住まわせてもらえたら」。木造の仮設住宅に入居する日端厚子さん=石川県輪島市三井町長沢(撮影・長嶺麻子)
「ずっとここに住まわせてもらえたら」。木造の仮設住宅に入居する日端厚子さん=石川県輪島市三井町長沢(撮影・長嶺麻子)

 能登半島地震の発生から1日で8カ月。被災地で目立つのが、木造の仮設住宅だ。コンクリート基礎と瓦屋根が基本で、従来のプレハブ型より耐久性が高く、2年の入居期間後の継続使用も視野に入る。石川県では建設型仮設のおよそ4分の1を木造が占め、景観や室内も30年前の阪神・淡路大震災当時とは様変わりした。自宅再建の難しい高齢入居者からは「住み続けたい」との声が上がる。(中島摩子)

 輪島市三井町長沢の木造仮設住宅(68戸)。地元産の木材を使い、黒い瓦が光る。1人暮らしという日端厚子さん(83)に、室内を見せてもらった。

 間取りは1DK。トイレや洗面所、浴室はバリアフリーで「狭いけど、段差はないし、雨の音はしない。静かで、1人暮らしには十分」。台所はIHクッキングヒーター、トイレには暖房便座が設置される。