昨年の赤穂義士祭で城下町を練り歩いた「義士行列」の様子。中央は大石内蔵助役の中村雅俊さん=赤穂市上仮屋
昨年の赤穂義士祭で城下町を練り歩いた「義士行列」の様子。中央は大石内蔵助役の中村雅俊さん=赤穂市上仮屋

 忠臣蔵のふるさと・兵庫県赤穂市で毎年12月に開かれる赤穂義士祭で、事実上、女人禁制の目玉行事「義士行列」を巡って議論が起きている。義士役の47人が練り歩き、当番地区の役員が主要な役どころを担うが、今年はその役員を女性が務める。史実を重んじて参列を見送るか、それともジェンダー平等を尊重するか。100年以上続く伝統の祭りで初めて決断が迫られた。(小谷千穂)

 義士祭は、主君・浅野内匠頭のあだ討ちを果たした四十七士をしのび、吉良邸へ討ち入った元禄15年12月14日(1703年1月30日)に合わせて開いている。

 義士役らが赤穂城跡周辺を練り歩くパレードが目玉で、大石内蔵助役には中村雅俊さんや松平健さんら人気俳優を起用し、今年は内藤剛志さんが務める。

 1899(明治32)年1月、小学生らが浅野家の菩提寺・花岳寺(同市加里屋)に参拝したのが祭りの起源とされる。1926(大正15)年からまちを挙げて行い、行列は市民でつくる「赤穂義士会」が始めた。

 現在は市内9地区にそれぞれある自治会連合会と市が持ち回りで行列を担当。義士役47人のうち30人程度を市民らから募り、その他は全国から公募。当番の自治会連合会長は慣例で主要な役で参列してきた。