収穫期を迎えた黄金色の棚田=兵庫県佐用町大木谷(ドローンで撮影)
収穫期を迎えた黄金色の棚田=兵庫県佐用町大木谷(ドローンで撮影)

 「日本の棚田百選」の一つ、兵庫県佐用町大木谷の「乙大木谷の棚田」が、稲刈りの季節を迎えた。山肌に連なる大小さまざまな田んぼが黄金色に染まり、秋の到来を告げている。

 大木谷地区の棚田は、県の「ひょうごの景観ビューポイント」にも選ばれている。最盛期には約千枚の田んぼがあったが、近年は農家の高齢化や後継者不足などで耕作放棄地が増加。今年は1割の100枚ほどでキヌヒカリを中心にコシヒカリも栽培している。

 地元農家らでつくる棚田保全組合は、稲作をサポートしてくれる都市部のボランティアを受け付けるなど棚田の維持管理にも力を注ぐ。同組合の小林一清組合長(62)は「今年も猛暑の影響が心配されたが、水温が低い天水のおかげで順調に育った」と安堵した。

 同組合によると、同地区の稲刈りは今月20日ごろまでに終わる見込み。(辰巳直之、村上晃宏)