兵庫県立大の神戸商科キャンパス=神戸市西区学園西町8
兵庫県立大の神戸商科キャンパス=神戸市西区学園西町8

 17日投開票の兵庫県知事選で、斎藤元彦前知事が始めた県立大学の授業料無償化が論点の一つとなっている。若者の学費負担を軽減する方向性には斎藤氏以外の候補者からも目立った異論はないが、対象者などを巡り意見の違いがみられる。同様に、無償化に必要な予算を審議する県議会でもかねて「受益者が限定的で公平ではない」と見直しを求める声があり、誰が知事になったとしても先行きは不透明だ。若者や親世代、専門家らに意見を聞いた。

 斎藤氏は知事だった昨年8月、県内在住者を対象に、県立大(本部・神戸市西区)と県立芸術文化観光専門職大(豊岡市)の授業料を段階的に無償化すると公表。留年すれば打ち切りといった一定の要件はあるが、所得制限はない。2024年度は学部4年生の授業料(年間53万5800円)を免除し、26年度までに全学年に広げる構想だが、予算は年度ごとに審議する。

 県立大の大学院も24年度から前期課程2年生と後期課程3年生の授業料を無償化。25年度に全学生を対象とする。入学金(大学、大学院とも28万2千円)も県立大で26年度、大学院で25年度から免除する方針だ。