本堂(左)の屋根と来年修繕する庫裏(右)はいずれもトタン板で応急処置されている=丹波市山南町太田
本堂(左)の屋根と来年修繕する庫裏(右)はいずれもトタン板で応急処置されている=丹波市山南町太田

 兵庫県加古川市の古刹・鶴林寺が今年、傷みの激しかった同寺の観音堂と堂内の調度品を修繕した。観音堂内にあるのは国指定の重要文化財「聖観音像」。像そのものを収める調度品の厨子や須弥壇は国や自治体の指定文化財ではなく、修繕に公費は出ない。そのため、同寺はクラウドファンディング(CF)で500万円超を集め、修繕にこぎ着けた。県内の別の寺院でも施設維持にCFを活用する例がみられ、CFが費用捻出に頭を悩ませる寺院の資金調達手段として広がりを見せつつある。

(斎藤 誉)