兵庫県の告発文書問題を巡り、文書を作成した元西播磨県民局長の私的情報漏えい問題を調べる第三者委員会について、県が第三者委の情報を非公開としたのは違法だとして、神戸学院大の上脇博之教授が25日、決定取り消しを求めて神戸地裁に提訴した。
県は、元県民局長の私的情報を前総務部長が漏えいした疑惑と、政治団体代表の立花孝志氏が交流サイト(SNS)で拡散した情報について調査する二つの第三者委を設置している。
訴状によると、上脇教授は2、3月、県に第三者委設置までの経緯が分かる文書や委員名簿、委員の推薦を弁護士会に依頼した文書などを情報公開請求したが、「公にすることで意思決定の中立性が不当に損なわれる」などとしていずれも非公開とされた。ほかに不存在とされた文書もあった。上脇教授は「公になったところで不利益などあり得ない」と主張している。
上脇教授は提訴後に会見し、「説明責任を果たす上で情報公開は当然。隠すこと自体に疑念が生じた」と述べた。県は「訴状が届いていないのでコメントできない」としている。