修正した2025年度一般会計当初予算案の採決を取る西宮市議会=西宮市六湛寺町
修正した2025年度一般会計当初予算案の採決を取る西宮市議会=西宮市六湛寺町

 西宮市議会は26日、臨時本会議を開き、市が修正を加えた2025年度一般会計当初予算案を賛成多数で可決した。21日には、市制100年で初めて一般会計当初予算案が否決されていた。市は修正前の当初予算案のうち、6事業を縮小し、計1億1669万円を減額して提案。議員側から指摘が相次いでいた人件費は、時間的な制約などを理由に手を付けなかった。

 賛成に転じたのは、会派・ぜんしん(7人)と啓誠会(5人)、無所属議員1人。議会定数は41で、議長(会派・ぜんしん)を除く40人で採決し、29人が賛成した。日本維新の会(8人)は、人件費に手を付けていないことなどを理由に反対。共産党(3人)も、阪神電鉄西宮駅北側エリアの市街地再開発の進め方などを取り上げ反対した。

 修正前の予算案を巡っては、人件費圧縮への取り組み姿勢や事業の優先順位について批判が集まり、市の議会対応なども否決の理由となっていた。

 今回、市が修正を加えた予算案は、反対した議員らの意見を踏まえ、中学校の部活動の地域移行にかかる補助金など(5634万円)や、避難情報を発信する西宮市版「防災アプリ」の開発委託料(4835万円)、就学前児童給付事業の事務費(660万円)などを減らした。

 議員らは「一定、評価する」「誠意ある修正」などと発言。石井登志郎市長は、人件費は職員組合と交渉する必要があるなどと説明し、「議会とコミュニケーションを取りながら進めていきたい」。さらに「市民生活に影響が出ないよう、政策を前に進めていきたい」と語った。(堀内達成)